林勝彦監督との出会い
私が林勝彦監督の存在を知ったのは、
1989年、私がまだ高校生のときのこと。
NHKで驚異の小宇宙・「人体」というシリーズをやっていました。
生命誕生からはじまるそのシリーズは、
私が最も人生の中で影響を受けたドキュメンタリーテレビ番組と言ってよいでしょう。
その映像のすばらしさ、CGの美しさ、音楽、詩、解説、全てが
今、目を閉じてもよみがえります。
「人体」のシリーズは、その後、驚異の小宇宙・人体2 脳と心、
驚異の小宇宙・人体3 遺伝子・DNAと続き、
私は、どの番組にも大きな影響を受けました。
この番組を通して、私は科学の魅力に魅せられました。
大学院で有機農業について学び、帰国した私は、
食品と暮らしの安全という東京の（現在はさいたま市）NPO団体に
事務局員（国際担当）として勤務しました。
その事務局長の小若順一氏は、この「人体」シリーズの林勝彦監督と親しい仲だったのです。
ある日、渋谷のロシア料理で、林監督に会うという小若氏について行きました。
林監督は、エネルギーに満ちた天才だと思いました。
人体３ 遺伝子のテーマ曲の入ったCDを下さり、
当時まだ、２０代だった私に「いいねえ、女性の20代後半は本当にいい時ですね。」とおっしゃいました。
私は、その後、結婚し、結婚披露宴では、いただいた「遺伝子」のテーマ曲をかけました。
「遺伝子」により生まれた私、そして、結婚し、新しい家庭を作って行く私、
そのルーツは、「遺伝子」にあること、このテーマ曲がとても私にはぴったりだと思ったのです。
自分の「ルーツ」について、「遺伝子」について、
幼いころから考えざるを得なかった私にとっては、とても思い入れの深い曲です。
そして、林監督にお会いしてから、約１０年。
2011年3月にあの震災が起きました。
林監督はNHKを退職され、現在は大学教授。
私は、フリーランスとして働き始めてから5年たち、「ろーたするーつ」を設立しました。
小若氏は、林監督に「つくりたいでしょう？」と電話したそうです。
「もちろん、作りたい」。
あの震災以来、マスコミは本当のことは報道できなくなりました。
そのことの歯がゆさを一番よく知っているのは、かつてマスコミにいた林監督自身です。
そして、私はアドバイザーとして、このプロジェクトに関わらせていただくことになりました。
このご縁に、私は心から感謝しています。
私が今、ここにいることの意味を感じるプロジェクトです。
未来のために、真実を知りたい。
その思いで、このプロジェクトを心をこめてすすめて行きたいと思います。
2011年3月11日、フクシマで本当に起きたことは何か。
真実を語れる人はいるのか。
大手メディアは、テレビも新聞も、
電力会社や見えない力によって
牛耳られているこの国で、
どうしたら真実が語れるのか。
真実を知らなければ、未来は見えてこない。
だから、真実に目をそむけずに
未来を見据えよう。
ろーたするーつ 代表 熊澤 夏子
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